大会長挨拶

  昨年に引き続き、第16回日本音楽医療研究会学術集会の大会長を務めさせていただく、
東京都立産業技術大学院大学の佐藤です。新型コロナ感染症のためここ数年,WEBでの開催が続いておりましたので,何とかリアルで開催できないかと模索してまいりましたが,第七波の蔓延を受け,今回もWEB開催となりました。皆様と実際に顔を合わせてお話しできないのは残念ですが,日本中どこからでも忙しい日常の合間を縫って参加できるというメリットを最大限活かせればと思います。

  今回の大会テーマは「音楽療法はどれだけ有効か」です。昨年のシンポジウムで、認知症やパーキンソン病、失語症,睡眠障害について,若手の先生を中心に最新のエビデンスを紹介していただきました。今回は,音楽療法の有効性が多く報告されているパーキンソン病,精神疾患,小児科領域について,当研究会の会長・世話人でもある本邦を代表する各領域のエキスパートの先生にご講演をお願いし、ご快諾いただきました。
前回のシンポジウムと合わせて,音楽療法が対象とする主な疾患・症候について現時点でのエビデンスを通覧できるかと思います。
  昨年の会長講演では、「音楽的要素を用いた失語症訓練:メロディックイントネーションセラピー (MIT)」と題して、 MIT の歴史や脳内メカニズムについてお話しいたしました。今回のワークショップはそれを引き継ぐ形で,MIT日本語版の概念,具体的方法,訓練効果の評価法について,日本MIT協会に所属する専門家の先生方にお話をいただきます。
特に,関啓子先生は MIT日本語版の開発者であり,かつ脳卒中のためにご自身が失語症になられたのを血も滲むようなご努力の上,見事復活されました。言語聴覚士という専門的なお立場から,失語症と MIT についての啓発活動をされておられます。MIT は音楽と医学の交わるところに存在し,音楽療法士の資格をもつ言語聴覚士がもっとも力を発揮できる領域です。一人でも多くの会員の方に関心を持っていただければ幸いです。 
  皆様のご参加をお待ちしております。

2022年9月吉日
東京都立産業技術大学院大学 認知症・神経心理学講座
特任教授 佐藤 正之